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2004.01.06

04・01・05 ディケンズの著作権戦争

「イギリスの作家ディケンズ(1812-1870)は自分の本の海賊版がアメリカで大量に出回って著作権料が入らないことに業を煮やし、アメリカへの講演旅行に出かけ、バカ高い講演料をふっかけて回収したのだった」という話をどこかで聴いて、著作権料というものをチマチマキッチリと回収しなくても、こういう手もあるなと感心したものでした。

しかし、ちょっと調べた限りでは真相はよくわからなくて、この解説を見ても、そもそも1842年1月の彼の「最初のアメリカ訪問では、国際著作権問題のことがクローズアップされ、ディケンズはアメリカでの海賊版を訴える目的でアメリカへ行ったという誤解まで生じている」ということになっております。

ディケンズの考え方は違ったかも知れませんが、まずは無料コピーを認めることで広く作家の名声を確立し「ブランド価値」を高めた上で、その後で、大きなブランド価値からいかようにも収穫をすればよいではないか、という作戦は現実にあると思います。

そもそも、一般にはブランドを確立するキャンペーンにかなりのお金を払うのが普通でしょうから、多少の身銭を切ってでも作品を広くばら撒いてファンを増やすことの何が損だというのでしょうかね。

スケールが小さな例で恐縮ですが、ワントゥワン・マーケティングのコンサルタントのブライアン・ウルフ(Brian Woolf)さんは一作目の「個客識別マーケティング」(原題"Customer Specific Marketing")を出す時に、出版社に行って「この本は私の名刺みたいなものなのでタダにしたい。本業のコンサルで稼ぐからそれでいいのだ」と言ったら「ダメッ」と即座に却下されたという話しをしていました。いずこもなかなかこういう考え方は現実には通用しません。

それはわかっているのですが…ねっ。

最後にちょっとだけ宣伝しておきますと、"Customer Specific Marketing"を「個客識別マーケティング」と訳したのは私です。よろしくお願いいたします。
【参考】過去の著作権関係のentry
03・12・30 BOOK-OFFで考えたこと
03・12・16 誰がために印税は成る?

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