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2004.02.07

04・02・07 中村光夫とblog文体

雑誌は新刊よりもちょっと古くなった号が味わい深いので、我が家のトイレでは古雑誌がピサの斜塔になってます。文藝春秋を中心に同じサイズの雑誌に限定。そこから気まぐれに一冊抜きだしてパラッと読むわけです。

昨夜、座り読みしたのは文学界2003年9月号の丸谷才一「ゴシップ的日本語論」。アッと思ったのは中村光夫の文章を取り上げている部分を見つけたからです。

丸谷氏は、小林秀雄が明治憲法なら中村光夫は新憲法だ、と言うのですね。明治憲法の文体は「なんかドスーンと胚にこたへて凄いけれども、普通の人間にはよくわからない」。新憲法の文体は「文章は本当に下手であるけれども、よくわかる」。

ここでクスクスと笑ってしまいました。

じつは、私がblogを書くときに、チラッと意識して来たのが他ならぬこのちょっと古くて忘れられそうになっている文芸評論家の新憲法文体だったからです。大袈裟に言えばってことですよ、もちろん。

つまり、格調や見栄にはこだわらずに、なんとか言いたいことを誤解なく伝えようという姿勢から生まれる文体、と私は理解しています。

人間同士のコミュニケーションなんて実にいい加減なものであって、(知ったかぶりして言えば)羊の群をシェパードが目的地に追い込んで行くようなものでしょう。強引に押し込めば群は散り散りに割れてしまうだろうし、端っこには必ずとんでもない方向に迷い出るものがいる。

天空に輝く星となって群れを導くことができる天才は別として、フツーの人はシェパードとして頑張るしかありません。中村光夫にはどこかでそういう凡人の自覚が訪れたのだろうと想像します。以前、図書館で調べたら、若い頃の文体は全然違っていたので驚きました。

憲法改正が政治日程の地平線上にのぼってきましたが、さて、新々憲法はどんな文体で書かれることになるのでしょうか。まさか石原慎太郎が起草するなんてことにはなるまいに。

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