« 04・04・05 ココログ不調? | トップページ | 04・04・09 ギョイコウの椿さん »

2004.04.08

04・04・08 玉さんはステキだ

04年04月04日、日曜日、ヴィラデストに行ってきました
Snow50DSCF1579.JPG
なんと東部町は春の雪につつまれていました。

雪のヴィラデスト
2004・04・04 長野県東部町
Copycenter 2004 Akira Kamakura



着くやいなや、玄関に迎えに出て来てくれた玉村さんをつかまえて、いきなりサインをおねだりするオジサン。なにしろケチだとの事前情報ですから、秘蔵の初版本にサインをもらうチャンスを絶対に逃すわけには行かない!そんな決意を感じさせる迫り方でしたが、玉さんは機嫌よく応じています。
Tama50DSCF1550.JPG
玉さんたち
2004・04・04 長野県東部町
Copycenter 2004 Akira Kamakura


この親切は無理しているんじゃないか…。まだ半信半疑でサービス精神あふれる玉さんの姿を横で観察していました。



教室仕立ての部屋で約一時間、玉村さんの絵をプリントしたWine Storyのコースター24枚を教材にワイン作りの蘊蓄話。農夫であり醸造家であり経営者であり、そして画家であり人気者でもある玉村さんという人間デカンタから、よどみなく惜しみなく注がれる熟成した言葉にみんな気分よく酔い始めました。

WineMakers50DSCF1554.JPG
醸造工場に移動して設備を見学。

ワインメーカーと玉村さん
2004・04・04 長野県東部町
Copycenter 2004 Akira Kamakura





Press50DSCF1553.JPGこれはイタリア製のブドウ搾り機。
プレス機
2004・04・04 長野県東部町
Copycenter 2004 Akira Kamakura


中で膜が膨らんでまるで掌で押すようなソフトタッチでブドウを押しつけて搾る仕組みになっているとの解説。搾り方一つでワインの味は変わるのだそうです。

Barrique50DSCF1558.JPGフレンチオークのバリック。弱いブドウは樽の香りに負けることもあり、新樽と一年使った一夜樽?とを使い、出来を見てブレンドするのだそうです。

フレンチオークのバリック
2004・04・04 長野県東部町
Copycenter 2004 Akira Kamakura


225リットルの新樽は一つ10万円。つまり750mlボトル300本分ですから一本あたりの樽代は333円もするのです、新樽だけを使えばの話ですが。

玉村さんの頭の中にはワイナリーの主要設備の投資額から樽の値段やらにいたるまであらゆる数字がキッチリ詰まっていたのには驚きました。決してアバウトではないのです。

このワイナリーが出来ることになった経緯はちょっと複雑でした。ま、それは省略して、私が注目したのは、ワイン作りの指導を故・麻井宇介さんに仰いでいたことでした。中公新書「ワインづくりの思想」で麻井さんはワインの質はテロワールによって決まるのではなく、作り手の志によるのだということを書いています。きっと玉村さんも同じ考えでやっておられるのだろうと思います。

だから、気候は操作できないけど、ブドウの植え方、剪定方法、収穫タイミング、除梗、プレス方法の選択、樽の選択、コルクとコルク栓を瓶に押し込む装置の選択などなど、どうやら玉村さんはほとんど妥協の無い選択をしてこられたように説明を聴きました。

まがい物を作るつもりは更々無い。考えてみれば当たり前のことです。

ブドウの木は何十年もの歳月を経るほどに収量は減るが凝縮度の高い実を付ける。そのときになってようやく一級のワインが生まれる。だから自分が生きている間にヴィラデストの本当に美味しいワインはできないかも知れない、ハハハと笑っていました。

そして食事です。Plate50DSCF1565.JPG
このテリーヌはアスパラなどの束をコンソメ・ゼリーで固めてからスライスしたもの、と後でシェフに聞いてきました。

アスパラのテリーヌ
2004・04・04 長野県東部町
Copycenter 2004 Akira Kamakura


ソースはバルサミコと思いきや、中国山西省の三年熟成の黒酢でした。

FrWine50DSCF1569.JPGフランスのラングドックにある提携ワイナリーのメルロー。


提携フランスメルロー
2004・04・04 長野県東部町
Copycenter 2004 Akira Kamakura


メルローというよりグルナッシュみたいな味わい。「メルローらしくないですね?」と玉村さんに質問すると、陽をタップリと浴びているんですね、ここではこういう味にはならないとの答えでした。なるほどね。


Adachi50DSCF1578.JPGセコムの長島さん人形を作った安達忠良さんが、ヴィラデストのために作ったもの。

安達忠良作
2004・04・04 長野県東部町
Copycenter 2004 Akira Kamakura


大きく重たいワインを肩に担ぐ人形の姿は玉村さんの人生に重なります。もはや後には引けない。手抜きもしない。でも楽しくやろう。

tamasan.JPG最後に私と玉さんのツーショット、というのは冗談。

なかよきこと
2004・04・07 横浜市都筑区
Copycenter 2004 Akira Kamakura


後で思ったのですが、玉さんの活動は、かつての武者小路実篤の「新しき村」に似ているところがあるんじゃないか。
いや、私の予想ですが、やがてヴィラデストは東部町の運命を左右する事業に育って行くのではないか。この町の農業就業人口の年齢分布グラフには驚かされます。

例えば、今は玉さんという個人農家の事業ですが、やがてこのあたりが農業経済特区に指定され、ヴィラデストが株式会社になり、上場を果たし…という具合に、この町を公共事業にも依存しない豊かな「新しき村」に変えて行くのではないか。

ロバート・モンダビが親と弟が経営するKrugを追い出されて自分のワイナリーを創立したのは彼が52歳の時でした。玉村さんは今年59歳という計算になりますが、ワインを味わうことは面白いけど、作るのはもっとずっと面白いと本当に嬉しそうに話す姿を見て、この事業が彼の命をますます力強く燃やしていると感じました。きっと玉さんもご自分のOpus Oneの晴れ姿を見ることができることでしょう。

いやー、もうすかっり玉さんファンになってしまいました。

|

« 04・04・05 ココログ不調? | トップページ | 04・04・09 ギョイコウの椿さん »

コメント

ふうてん老人から今回のツア-の模様聴きました。楽しそうでしたね?思わぬ雪模様で”熱燗のワイン”が似合いそうですね。たまには奥さん連れて日頃の罪滅ぼし必要。だけど、玉ちゃんが玉やんに会うなんて面白いですね。雪景色の写真は最高に美しいし、気品があります。

投稿: jo | 2004.04.08 21:35

はじめまして。トラックバックありがとうございました。
鎌倉さんの文を読んで、ますますヴィラデストワイナリーに
行きたくなりました!玉さん、ステキ…。

投稿: chakichi | 2004.06.14 23:00

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/4033/411513

この記事へのトラックバック一覧です: 04・04・08 玉さんはステキだ:

« 04・04・05 ココログ不調? | トップページ | 04・04・09 ギョイコウの椿さん »