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2004.04.17

04・04・17 人質解放を報じる新聞一面比較

つねづね思うことですが、新聞紙名よりも大きな活字で見出しをつける新聞は一流とは言えない。人質解放を伝える4月16日の朝刊はなかなかの見物でした。

朝日も神奈川新聞もデカすぎる。日経も似たようなものです。ヘラルド・トリビューンだけが普通サイズで、そもそも人質解放の記事が小さい。トップ記事は韓国の選挙です。

最近は読んでいませんが、Wall Street Journalなんかも見出しの文字が小さかったですよ。ま、ビジネスの世界は人によって利害関係が違うのでニュースの大小は一般的には決められないからかも知れません。

HeraldDSCF1997.JPG
巨大な見出しはそれだけで煽情的です。特に朝日の一面は人質の家族の視点で書かれているようで、内容も極めて情緒的です。

さらに、人質事件以外のニュースが全部他の面に追いやられています。
新聞がそんなことでは困るしアブナイ。

ヘラルド・トリビューン 2004・04・16

NikkeiDSCF1987.JPG
ヘラトリと日経だけが他のニュースにも一面のスペースを割いていますが、これが正常な神経でしょう。
人質が無事戻って来たことはいいことですが、大多数の人々は人質の親戚じゃないわけで、今後のイラク情勢の行方の方がより大きな関心事です。

日本経済新聞 2004・04・16

AsahiDSCF1983.JPGブッシュは大統領選挙に向けたスケジュールに固執し強硬策を続けるし、小泉内閣だって参院選にらみになっている。

どちらも場合によってはスペインのように政権交代の可能性をはらんでいるわけで、今回、官邸に漲った緊張の原因はそこにあるわけでしょう。

朝日新聞 2004・04・16

家族の涙を一面で報じますかねぇ…これは違和感を覚えました。まるでテレビのワイドショー。むしろ官邸の冷や汗を捉えた写真は無かったのかなと思います。

そういう意味では朝日の13面の三者三論「泥沼のイラク」はまさに冷静で多面的な思考を促す優れた特集でした。白石隆京大教授、山内昌之東大教授、そして前田哲男東京国際大学教授の意見紹介。こういう記事を一面に上手に使えないところが問題なんでしょう。

KanagawaDSCF1991.JPG
さて、紙名より見出しが大きいことの何がいけないのか?

ニュースはメディアが報じるからこそニュースになるわけでしょう。だからどんな新聞にも「これが私たちが大事だと思った今日のニュースです」というメッセージがベースにあります。

神奈川新聞 2004・04・16

レストランにたとえるならば、店やシェフの名前が一番大事であって、メニューはその次です。あのシェフなら今旬の食材をどう調理してくれるだろうかと期待して入るのがいい店です。看板に「○○食い放題」と大きく書く店に一流の料理人がいるとは誰も思わないでしょ。

新聞紙名を食ってしまうような巨大な見出しを黒々と印刷する神経はブランド軽視だし、ひょっとするとブランドに自信がないのかな。おそらく当人たちが「シェフ」で売れているとは思っていないのでしょう。

ところが購読者側は、毎日の新聞に何が書いてあるのか調べもせず特定の新聞を買っています。その証拠に新聞だけは立ち読みして選んだりはしませんから。ブランドに対する信頼とか親近感とか、あるいは幻想が大きいのですよ。

いかなる大事件をも冷静に受け止め多面的に考え判断する人が静かに広げるべき新聞がほしいものです。クログロ新聞はそういうモノには見えない。

日本の政治の成熟は、見出しの活字サイズに抑制を利かせた新聞の登場にかかっているという気がしますな。

ところで、ヘラトリ、日経、朝日、神奈川以外の日本各地の新聞の4月16日一面はどんなぐあいだったのでしょうかね。

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