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2004.08.29

04・08・29 木内酒造の面白い日本酒試作品

KIORADSCF1773.JPG日曜日、麻布十番のKIORAで木内酒造主催の第三回東京蔵楽々会に参加してきました。鵜野シェフの料理はもちろん素晴らしいと思いましたが、お酒の方でもめずらしいものを飲ませてもらいました。

アルコール25%の日本酒が出たのです。

日本ではまだどのメーカーも醸造したことがない、冷結濃縮高アルコールの日本酒です。ビールでいえばアイスボック。アルコールと数はなんと25度の芳醇なお酒です。
というメニューの説明を読んで、あの日本酒度+20幾つとかの超辛口「雪の松島」みたいなものか?と思ったのですが、醸造酒で25%は考えてみればおかしい。発酵がその度数に進む前に酵母がくたばってしまうはず。

飲んで見ると明らかに焼酎とは違う。サラサラしないのです。日本酒らしさが濃厚にあって酸味が印象的に強い。飲み終わってしばらくしてお猪口がベタベタしているのに気づきました。じつに不思議な味わい。
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25度の日本酒と赤ワイン樽フィニッシュの焼酎
2004・08・29 港区麻布十番 Copycenter 2004 Akira Kamakura


この醸造を担当した女性杜氏さんがテーブルに来てくれたので色々と聴いてみたところ、冷結濃縮というのは、いったん普通に作った日本酒を凍らせて水分を取り除くのだそうです。だからアルコールはもちろんのこと日本酒らしさの成分も濃縮される理屈。もともと濃縮前のお酒を酸味を強めに作ったそうですが、それもさらに濃縮されているように感じました。確か、酵母も珍しいものを使っていると言っていたような気がするな。最近流行りのナデシコ酵母とかその手のものですか?と半可通的質問をしてみたところ、違うとアッサリ却下されてしまいました。

これで、濃縮された成分の中に、ワインでのタンニンに相当するような熟成で変化するものがあると古酒としても面白くなるのでしょうが、どうなんでしょう。一般に古酒にはあまり期待しない私ですが。

TOUJIDSCF1814.JPGこのお酒はあくまでも試作品であり非売品。その凍結濃縮のための装置もまだ借り物だそうで、今後どうするか、考え中といったところでした。

もう一つ、奇抜なお酒がでました。米焼酎を赤ワイン樽でフィニッシュしたもの。自前の赤ワインを醸造した樽がアメリカン・オークなのかフレンチなのか、杜氏嬢は教えてくれなかった。

グラスを鼻に近づけると一瞬ちょっと珍しい香りが立ち上りましたが、それっきり。味の方には特別な変化は感じられませんでした。

だいたいの狙いはわかる。スコッチはまずバーボン樽で熟成させて最後にシェリー樽やらポート樽やらでフィニッシュの香りを着けるものがあるけど、たぶんあれと同じ発想なんでしょう。色々考えたすえの創作意欲あふれる面白い試みだと思いましたが、結果的にはまだ実験レベルという感じですね。

木内酒造はビールで成果を上げているからなのか、若い人たちが色々なお酒の新作に意欲的に挑戦しているようで微笑ましく思いました。そのうちとんでもない失敗作が生まれて、捨てるのがもったいなから飲んでみたら絶品だった、なんて田中耕一さん的ノーベル賞級のドラマがあることを期待しております。

ちなみに私は木内酒造の常陸野ネストビールのヴァイツェンのファンです。

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2004.08.25

04・08・25 ウバメガシとシャクトリムシの体操演技

ウバメガシの生垣を何処で見たのか?私の行動範囲のあそこかここか、なかなか思い出せません。

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ウバメガシの生垣 2004・08・22 横浜市都筑区 Copycenter 2004 Akira Kamakura

しかし、頭は忘れても身体は覚えていたのでしょうか。22日の日曜日、会社から持ち帰った仕事の決着をつけてサッパリしたところで散歩に出かけると、いつのまにかウバメガシの生垣のある道を歩いていたのでした。

記憶の中のイメージとはちょっと違うけど、まあよしとする。何がよしだかわからないが。

一つの区画だけちょっと葉の感じが違っていて、ウバメガシとは別の種類かもしれないなと近くに寄って見ました。すると、そこにヘンなヤツがいます。

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シャトリムシ三態 2004・08・22 横浜市都筑区 Copycenter 2004 Akira Kamakura

葉の本体が落ちて柄だけが枯れ残ったような姿ですが、虫の擬態だと直観しました。写真は無理して接写したものなので明らかに虫だとバレていますが、実際は、ほんとうに見事に景色に溶け込んでいます。虫をいじって反応を見るまでは私も100%の確信はありませんでした。

指でつっつくとピッと向きを変えたりします。小枝でからかったら初めて身体の緊張を解いて曲線を見せてくれましたが、この虫はまたすぐに直線になりたがる。まるで磁力線を掛けられたかのようにピッと向きが決まりそのまま完全静止。凄い緊張感。

アテネ・オリンピックもたけなわですが、このシャクトリムシ"inchworm"(ですよね?)も体操の演技をしているかのようです。もっとも自らの存在を消す技を見せているわけですよね、「見えないように見せる」という逆説技を。

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2004.08.22

04・08・22 ムベの肌荒れのいろいろ

いつものムベは一番左側の写真ですが、たまには同じ株の他の実と比べてみようということです。

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ムベ 2004・08・21 横浜市都筑区 Copycenter 2004 Akira Kamakura

こうしてみると共通して言えることは、みんな肌が汚いってことですね。

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04・08・22 金魚椿の葉っぱは河童の手

早渕川沿いに歩いていて通りすぎたツバキの繁み。アレッ?なにか違和感を覚えたので、戻ってジックリ見ると葉の形が異様です。
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キンギョツバキ
2004・08・22 横浜市都筑区
Copycenter 2004 Akira Kamakura


葉先が裂けています。それも一様ではなく、二股もあれば四つ五つに裂けているものもあります。

樹高3-4mはあろうかというツバキの、見るかぎりすべての葉がこうなっています。一部の葉の病気ではなさそう。とりあえずデジカメに記録。

ウォーキングついでに港北ショッピングセンターまで足を伸ばして、書店で園芸書を立ち読みしたところ、簡単に答えを発見できました。ツバキの種類で金魚椿とか錦魚葉椿というのがあるんですねぇ。

言われてみれば金魚の形に見えます。でも私の第一印象は「カッパの手」でした。河童の手椿じゃ品種名として様になりませんが。

椿ならOASYSの神田さんだということで、ツバキのサイトを久しぶりに訪ねてみました。さすが、五つもの写真がすぐに見つかりました。

錦魚葉椿金魚椿その1金魚椿その2金魚椿その3錦魚椿

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2004.08.15

04・08・15 ウバメガシとセイヨウシデ

一昨日、ゴルフ場で見たウバメガシ"Quercus phillyraeoides A. Gray "は幹がかなり太い。そもそも成長が遅い樹木らしいので、かなりの樹齢と思われます。残念なことにその立派な幹は途中で切り落とされており本来の樹高がわかりません。

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程ヶ谷カントリー倶楽部のウバメガシ
2004・08・13 横浜市旭区
Copycenter 2004 Akira Kamakura

ウバメガシは横浜には自生しないとここで断言されています。ということは恐らく旭区のこのゴルフ場が1967年に開場する前から雑木林に植えられていた木なのだろうと想像されます。備長炭になる木ですから。

日頃街で見かけるウバメガシは、用賀の世田谷ビジネススクウェアのバスターミナルにもありますが、(記憶を確認中)四角く刈り込まれた生垣ばかりなので、これは珍しいと感じて写真を撮りました。

さて、ここで話は3年前の長崎旅行にとびます。諏訪神社境内の桟敷でおくんちを見物した帰りにハウステンボスに寄りました。

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ハウステンボスの緑の回廊 2001・10・08 長崎県 Copycenter 2004 Akira Kamakura
長崎ハウステンボスのダニエル・マロー"Daniel Marot"(1661-1752)設計の幻の庭園にある緑の回廊は、私の記憶違いでなければ、ウバメガシで出来ていたと思うのですが…横浜在住の身としては気楽に確認に出かけるわけにもゆきません。少なくとも四角い生垣にはウバメガシが使われていたと思います。

ちなみに回廊と書きましたが、造園用語としては"treillage arbour", "lattice arbour", あるいは"berceau"(bersoとも)の類のようであり、これはマローの得意技だったようです。

さて、ウバメガシは日本から中国大陸にかけてのみ分布する植物であって、オランダには存在しません。ダニエル・マローの庭園の設計書にはあの回廊"berceau"を被うべき樹木として何か他の植物が指定されていたと考えざるを得ません。

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2004.08.14

04・08・14 真夏のゴルフ場貸切り幻想

13日の金曜日、横浜市の伝統あるゴルフ場に出かけました。

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気温34度 誰もいないゴルフ場 2004・08・13 横浜市旭区 Copycenter 2004 Akira Kamakura
この日、メンバー氏以下われわれ4人は、朝の8時過ぎにスタートしスルーで18ホールを終えたのが12時20分頃でした。特に急いだわけでもなく1ラウンド4時間20分とは速い。

昼食のあと13時30分にまたスタート。一人が急用で帰って3人に減ったこともあり今度は約90分で9ホールを完了。こんなに早く回ったのは私のゴルフ人生の記憶にありません。

時計は15時を指しています。飲みに行くには早すぎるというので、10歳ほど年長のメンバー氏は「あとハーフ行きますか?」と我々を誘い、返事を聞くまでもなくスタートホールへとスタコラ歩いて行きます。そのハーフを終えたのが2時間後の17時頃。

36ホールを7時間50分=470分、平均するとハーフを118分。この頃はどこのコースに行ってもハーフ2時間30分=150分前後かかりますから20%以上の時間短縮です。

このカントリークラブはメンバーの年齢層がかなり高くて、お誘いいただいたメンバー氏の話によると60歳代なんか若造扱いだとのこと。とはいえ、おのずと気温34度の熱暑の中でプレーする人は少ない。一説にはみんな避暑地に行っているとか。

だから空いているのです。この日、36ホールを通じて、ティーグラウンドに立った時に先行パーティの姿を見たのは最初の1番だけ。後続パーティの姿を見かけたのも途中で一度だけ。あとは前にも後ろにもプレーヤーの姿を見ることはありませんでした。

赤星四郎設計のコースを6,654ヤードのバックティーから、まるで貸切りで!まさにたっぷりと楽しみました。これぞゴルファー最高の贅沢にして真夏の昼の夢!

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2004.08.11

04・08・11 Show me ホーミー

もう先週のことになりますが、サントリーホールでモンゴル国立馬頭琴交響楽団の演奏を聴いてきました。予めプログラムをチェックしてホーミーが聴けるとわかったからです。とにかく一度なまのホーミーを聴いてみたかった。
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小品を20曲ほど寄せ集めたプログラムでしたが、結果的に判ったのは、そのうちホーミーが入るのは2-3曲のみでした。

プログラムの5番目の出し物がホーミーデモンストレーション。演者はE.SandagjavとN.Ashid。日本人の司会者は言いました、「ホーミーを楽しみにして来られた方も多いかと思います」と。すっかり読まれています。

馬頭琴を擦りながらの弾き語りでホーミーが始まります。

まずギョッとしたのは、出だしが浪曲の発声だったことです。広沢虎三の「旅行け〜ばぁ」の喉を窒息しそうに絞った低い塩枯れ声です。魚屋のオヤジがのべつ幕なしに「さあ安いよ安いよ」と唸り続ける時の声にも似ている。もっと高い高周波を期待していたのにこれはどういうことか。浪曲はホーミーから来たものなのか?

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2004.08.08

04・08・08 「ゴジラとは何か」ピーター・ミュソッフ著

このあいだ見たアーロン・カーナーさんの日米ゴジラ映画比較の映像では、1954年の日本版がビキニ環礁の水爆実験を映している時に、1956年の米国版はアメリカ人の男が一人、少なくともビキニ環礁とは似ても似つかない状況の中に映っているだけ。米国として気に入らない部分をカットしちゃった、というのが私のとりあえずの理解だったので、なんだか不可解でした。

この週末、地元の図書館に寄った時に、ダメモトで映画関係の書棚をみると「ゴジラとは何か」という本があるではありませんか。著者はピーター・ミュソッフというアメリカ人です。カーナーさんがゴジラ映画を熱心に見ていたのは偶然じゃなかったようです。どうやらアメリカには熱烈なゴジラファンが沢山いて、その熱気の吹きこぼれのような形で評論やら映像作品やらも生まれているようなのです。

DSCF1379.JPGこの本によると、米国版の「怪獣王ゴジラ」"Godzilla, King of the Monsters!"は、テリー・モース"Terry O. Morse"という監督によって改変されているのですが、そのやり方が凄い。本多猪四郎監督の原作を20分ほど短くしただけでなく、その分、新たなシーンを撮影し追加してプロットを変更しているのです。狙いはこれをアメリカ製のB級SF映画もどきに作り替えることでした。

驚くべきは、ゴジラと核実験の関係がすっかり消されているだけでなく、追加された映像によって変更されたプロットもろとも人間の主役もアメリカ人に入れ替わってしまうのです。夢の島の映像で見たアメリカ人とは俳優レイモンド・バー "Raymond Burr"が演じる新聞記者だったのでした。彼は、のちにテレビの「ペリー・メイスン」「鬼警部アイアンサイド」シリーズでスターになった俳優とのこと。

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04・08・08 アオメアブがナンカ考えている

これはアオメアブというアブらしい。

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アオメアブ 2004・08・08 横浜市青葉区 Copycenter 2004 Akira Kamakura
人間ではない動物が何かをジッと眺めている様を後ろから見るのは、なかなか味わい深いものがあります。その目に映る景色を想像する、ってったって複眼だから想像できないのですが。しかし何かが虫の脳裏をよぎっている。

カメラを近づけても微動だにしません。単に餌と思しき昆虫が視界を横切るのをカミオカンデみたいに待っているだけかもね。大きい影は認識できないのでしょう、きっと。

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04・08・08 猫の爪とぎの正体

猫を飼うようになって17年、今日の今日まで、あの爪とぎでこんなことが起きていたことに気づきませんでした。

そもそも猫の爪とぎのしぐさを見ていると、単に引っ掻いているようにしか見えず、とてもなまった爪の先端を研いで尖らしている感じではない。しかも発作的にかなりむきになって、爪をシッカリと相手に引っかけてからグイッと引っ張っています。

Catnails50DSCF1371.JPG猫の爪の殻
2004・08・07 横浜市都筑区
Copycenter 2004 Akira Kamakura


うちの猫たちがいつもガリガリと爪とぎをするプラスティックの箱の下に、写真のような爪の殻が落ちているのを見つけました。な〜るほど!古くなった爪を剥がしていたんですね。そういう時期が来るときっと痒くなるのでしょう。で、もうタマラン!という感じで爪とぎ発作が起きる、と考えるととても納得がゆきます。

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2004.08.07

04・08・07 ひび割れるムベと桜のヤニ

このあいだからひび割れが目立って来たムベは、今朝見ると心なしか萎んだ感じがします。割れ目から水分が蒸発するもんな…と思うとそう見える。やはりこのひび割れは病気かも知れない。

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ムベと桜のヤニ 2004・08・07 横浜市都筑区 Copycenter 2004 Akira Kamakura
二週間前にリボン状だった桜の枝の切り口のヤニは、今は水飴のようにベッタリと切り口を被っています。こういうヤニはありふれていますが、あの時のヤニの姿は貴重な一瞬を捉えていたのかも知れません。

Rain50DSCF1272.JPG夕立の雨粒
2004・08・07 横浜市都筑区
Copycenter 2004 Akira Kamakura


夕方プールに行こうかと思ったら夕立です。大粒の雨が降ってくる様をデジカメで捉えることができるか?やってみました。と言っても自動露出調整のままに撮っただけ。カメラはFinePix F700。いろいろテクニックを発揮できるマニュアルモードの使い方が全く身についていません。

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2004.08.05

04・08・05 歴史をアートするAaron Kerner

今、夢の島の第五福竜丸展示館"Collapsing Histories"(崩れゆく歴史)というテーマでのアートの展示をやっています。そのプロデューサで、映像作家としての原点はゴジラ映画だというアーロン・カーナー(Aaron Kerner)さんご夫妻に中を案内してもらいました。
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第五福竜丸展示館
2004・08・04 江東区夢の島
Copycenter 2004 Akira Kamakura


ここはあの第五福竜丸がドンと置いてあります。ちょうど50年前のビキニ環礁の被爆事件の後この船は化粧直しされ練習船「はやぶさ丸」として使われていたとのこと。それがいつのまにかひっそりと、この「夢の島」に座礁したかのように捨てられていたのだそうです。歴史を粗大ゴミのように扱う気持が、時代のムードとして、高度成長期を迎えた日本の社会の中にあったということでしょう。その問題に気付いた人がいて、保存運動がおこり、展示館が出来た。約30年前のことです。

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第五福竜丸無線機
2004・08・04 江東区夢の島
Copycenter 2004 Akira Kamakura


建物の中に置かれた第五福竜丸は見上げるほどの巨大さです。その船体をぐるっと巡るように色々な作家の作品が展示されています。通信士だった久保山愛吉さんが使っていた無線機もありましたが、これは常設展示物でしょう。

カーナーさんの展示は、映画ゴジラの第一作目の日米比較の映像作品です。私の子供の頃の記憶はもう全くはっきりしませんが、日本版一作目には第五福竜丸の事件がかなり大きく扱われていたといいます。ところがカーナーさんが見た米国版ではそれがバッサリと削られていたというのです。

あの水爆実験は、会場のパネルの説明によれば、米軍の予想を裏切る三倍の威力が出てしまい、結果的に多くの予想外の放射能被害を出してしまった。東西対立が深刻化する中で軍事的重要性は高かったものの、多くのアメリカ人には、おそらく、あの実験のネガティブな側面を歴史の粗大ゴミとして捨ててしまいたいという気持ちがあったのでしょう。当時アメリカでは放射能の「死の灰」なんて洗い流せば安全で大したことないという「啓蒙」映画まで制作された。ゴジラの原作を都合よく編集したのも同じことだったのだろうと思います。

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ギャラリーエフcafeでのAaron Kernerさん
2004・07・15 台東区雷門
Copyright 2004 Akira Kamakura


記憶の中のある部分を無意識のうちに抑圧して無かったことにするという現象は人間にも社会にも当然あります。必ずしも病気とは言えないでしょう。そういう「記憶」によって歴史も人格も形作られて行かざるを得ない。

そこでアーティストとしては?その抑圧されていた部分をもう一度自由に甦らせるきっかけをデザインして、見る者がそれぞれの感性で歴史を発見する体験をさせる。フロイド流の精神分析(Freudian Psychoanalysis)での自由連想法(Free Association)にも似た手法、というと考え過ぎかな。ならば、赤塚不二夫流の「忘れようとして思い出せない」ことと向き合ってみるってことか? ま、私が理解した今回の展示の意図はそんなところでした。

教科書や歴史書の記述として歴史を理解するのではなく、アートを通じて疑似体験するという試みはなかなか面白いと思いました。そのためにはテーマとギャラリーの組合わせも重要で、この第五福竜丸の存在感は大きいですねぇ。

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ギャラリーエフの土蔵の展示写真の写真
(第五福竜丸展示館にて)
2004・08・04 江東区夢の島
Copycenter 2004 Akira Kamakura


"Collapsing Histories"は、もう一カ所、浅草のギャラリー・エフでもやっています。ここは東京の大空襲で焼け残った江戸時代の土蔵を改装してギャラリーに仕立てた場所です。展示物は異なりますが、歴史をアートするというコンセプトは同じです。

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夢の島マリーナ
2004・08・04 江東区夢の島
Copycenter 2004 Akira Kamakura


ところで、この「夢の島」という場所。東京という大都会のゴミ捨て場として出来た埋め立て地に「夢の島」とは、汚い現実を隠蔽する蓋のような、あまりにも臆面のない命名として、当時は誰もが皮肉な響きを感じたものです。

しかし、あれから何十年という歳月を経て、今の「夢の島」は緑豊かなホントウの「夢の島」になっていました。都心近くでこれだけの緑や水はなかなか見つからない。ここまで先を見通していたとしたら、このネーミングを考えた人は凄いもんだと思いました。

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2004.08.01

04・08・01 ベニバナボロギクは確かに狙われていた

この花がわからなくて、写真におさめて図鑑を調べてベニバナボロギクだと判明。アフリカ原産の帰化植物で、戦争中は台湾などで日本の兵士がシュンギクの代用野菜として食べていたといいます。当時の現地での名前は南洋春菊とか昭和草とのこと。

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ベニバナボロギク 2004・07・31 横浜市都筑区 Copycenter 2004 Akira Kamakura

なかなか面白い過去のある植物なので、改めて写真を撮ろうと再び現場に行きました。

ところがあるはずの場所に見当たりません。おかしいなと何度もチェックしましたがどうしても無い。で、よくよくその場所を見ると、土に引っこ抜かれた跡が見えます。

見た目がカワイイから持ち帰ったのか、あるいは、食用と知って採取したのか。ちょっと興味深い「事件」でした。

いずれにせよ、ボロギクのイメージがしっかりと記憶に焼きつきました。

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04・08・01 浦安の納涼花火大会、いかにもの構図

50IkanimoDSCF1029.JPG真夏の雨上がり
2004・07・31 横浜市青葉区
Copycenter 2004 Akira Kamakura


7月31日土曜日は台風10号が北西に進路をとりつつ関東地方の遥か南をフラフラしていました。この影響で午前中はまさに南の島のスコールでした。千切れた雨雲が上空に来ると逃げるまもなく俄かに雨が落ちて来る。でも、しばらくするとまた夏の晴天になる。

おかげで濡れた舗道に映る空と雲という、いかにもの構図の一枚を撮りました。だいたい素人写真なんてものは、どこかで見たような絵を真似しているだけ。記憶の型にはめて喜んでいます。

夕方、浦安まで遠征して、今年で26回目になるという花火大会を見物しました。

50KaijoDSCF1094.JPG花火の会場は高洲海浜公園。開始は夜の7時30分ですが、この写真はまだ5時53分。場所取りシートですでにかなりの混雑。酒盛りの準備をする人々や浴衣姿の女性も画面に捉えていて、いかにもの構図だよねぇ。ちなみにこんな早い時間に行くとどうなるか?浦安市の消防隊のブラスバンドが大張り切りの生演奏を聞かせてくれます。

50KumoDSCF1110.JPG次の写真は6時24分。今朝の雨の気配はすっかり消えて心地よい海風が吹いています。西の空を見ると、ターナーのような雲が。ここでまた、いかにもの一枚を撮ります。まだ一時間ある。

そして最後が7時30分頃の一枚。やれやれようやく花火が始まって、どうせうまく写らないだろうと余り期待せずにシャッターを押したのがこれ。結局、これもいかにもの出来ですね。50HanabiDSCF1120.JPG

そのうち次々と打ち上がる花火に魅惑されてカメラなんかどうでもよくなります。というよりファインダー越しではなく肉眼でシッカリみないと勿体ないという気分になる。もう満月も完全な脇役で誰もそっちを見ていません。

打ち上げの現場は見えませんが、花火の球が筒から空中に飛び出して行く音らしき低周波が聞こえます。一升瓶の中に息を吹き込んだような鈍く低い音です。

それが上空ではじけて光の輪が広がると一瞬遅れてパーンと音が届く。視野いっぱいに広がる大きさが現場で見物しないとわからない迫力。光は実に短命で光ったと思ったらもう消えて行きます。特に無数の金粉のような光は夜空に埋め込まれた蒔絵のようだ(いかにもの表現)。

大量の火薬は爆薬でもあるはずだけど、花火の光には微塵の敵意も脅迫もない。人々は安心しきってこの美しい火薬の爆発に歓声をあげる。平和な風景です。

かくも大がかりで贅沢で、花火師の研鑽の成果をパッと咲かせ一瞬の光を記憶に残して消えてしまう花火というじつにじつに粋な遊びに乾杯!という気分でした。

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04・08・01 ムベの表皮にひび割れ

このところ単調だったムベの人生に新たな展開!

50Mube0724DSCF0816.JPG50MubeDSCF0988.JPG
ムベのひび割れ (左)2004・07・24 (右)07・31 横浜市都筑区 Copycenter 2004 Akira Kamakura

右の写真は7月31日のムベ。右半分の表皮に赤くひび割れが現れて来ました。左の写真は一週間前の姿。ひびはありませんでした。が、あとになって、この結末を知った目で見ると前兆らしきひびがすでに見えています。

これが異常の始まりなのか正常な生育プロセスの発現なのか、何ともわかりません。

以前から右半分はきれいな球形になっていました。球形ということは実の膨らもうとする力が中心部から表皮に向かって均等にかかっているのでしょうかね。その表皮が圧力に耐えきれずひび割れた。なんだかマスクメロンの網目ができるのと同じ仕組みが働いているようにも感じられます。

私の少ない経験で知るかぎりムベの完熟した姿はテコボコなジャガイモ形。けっしてきれいな球形じゃありません。だとすると、このひび割れは、あまりにも美しい球形で育ってきた右半分が、いよいよデコボコになる時が来たことを意味しているのかも知れません。

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