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2004.09.14

04・09・14 たまにはプロ野球について書いてみる

長嶋茂雄氏が脳梗塞で倒れたのが今年の3月。病状の深刻さが明らかになるにつれて、アテネ五輪でだけでなく、そのもっと先の長嶋コミッショナー誕生(私の勝手な憶測ですが)などのミラクル・シナリオが描きづらくなったように思う。偶然の一致かも知れないが、球団合併の話が急に具体化したのとタイミングが合っていたように思う。

今回の球団合併騒動の中で、選手会々長の古田選手は、二流選手も三流選手も抱える選手会という組合の委員長として、強い責任感をもって十分に思慮深い行動をとっていると思う。

むしろ球団の経営側の行動にどうにも大局観が感じられないのが残念である。日頃そんな議論をほとんどしていないように見えてしまう。

新規参入の規制緩和は当然必要だが、だかしかし、参入の自由があるなら暗黙のうちに脱退の自由も認めることになるに違いない。つまり、過去にもあったように、球団経営にあたる企業の業績次第で、去年鼻息も荒く乗り込んで来た企業が今年はもう止めたと去って行くこともあるわけだ。

そもそもどんな企業でも永遠に続くことはない。確か10年ほど前に何処かで聞いた講演でハーバード大学MITのレスター・サロー"Lester C. Thurow "が言っていたが、100年前のアメリカの巨大企業で今も残っているのは数えるほどしかないのだ。彼の著書のどれかにもそのリストが載っていた筈だ。

ところが球団のヤンキースの創立は1901年だとどこかに書いてある。ドジャースは1890年、カージナルスは1876年創立だ。球団は100年以上たっても元気である。

極論すると企業なんてカゲロウのような存在であり、むしろ野球チームの方がよほど社会に深く根を張った長命の存在なのだ。長嶋茂雄氏が現役引退の時に「我が巨人軍は永遠に不滅です」と言ったのは別に読売に媚びを売ったのではない。読んではいないが小林信也氏の「長嶋はバカじゃない」というのはホントウだなと感じる。

さて、こういう見方をすると、「たかが一企業」がプロ野球の球団を所有するなんて発想自体が不遜な「身の程もわきまえない無礼な行為」だということになるのではないか。

例えば大相撲を見よ。流石に日本の企業は大相撲を買いたいとは言わないではないか。外資系はわからないが。

スポーツではないが、オーケストラだってそうだ。たまたま多少は身近な存在である東京フィルハーモニー交響楽団を見ても、理事長であるソニーの大賀氏はこのオーケストラのためにお一人で巨額の寄付をされていると聞くが、それはあくまでも賛助会の一員としてのことである。

東フィルの賛助会は100社ほどの企業と100名余りの個人会員から寄付を集めている。企業にも個人にも時に応じて都合の変化もあるから、その構成メンバーは時とともに入れ替わる。

しかし1911年創立のこのオーケストラは不滅なのだ…、と言いたいところだが、現実は数年前に新星交響楽団との合併を経験するなどオケ業界も大変らしい。今のプロ野球と似ている。しかし、東フィルはその経験を踏まえて今のような賛助会組織を拡充するなど経営努力をするようになったのだと私は理解している。

プロ野球も、多くの人々が指摘するように基本は地域密着とし、チームを特定企業の広告宣伝子会社にしたり、監督交代を企業内の人事異動なんかにさせないことだ。むしろ球団の監督は地域の首長にも匹敵する存在になるのではないか。

その資金的支援活動には多くの企業や個人が入れ代わり立ち代わりいつでも自由に参加できる形が望ましいと思う。もちろん支援をしてくれる個人や企業に対してチームはせいぜい愛想を振りまく必要はあるし、主催試合のチケットを寄付額に応じて提供するのは当然のことだ。

公開株式会社にするという案も聞こえて来るが、野球チームは投資対象ではないような気がする。そんなことをすると、また、チームの系列化だとかM&Aだとか、おかしなことが起きて来るだろう。基本は皆のクラブを運営するという発想だから、金銭的支援とは要するに基金の拠出であり運営費用負担に他ならない。つまり非営利組織が適していると思う。儲かったら色々な形で地域に還元すればよい。

また税務署もこの寄付金をちゃんと損金として認めることだ。

こうした仕組みの中で一体選手に幾らの年俸を支払うことができるのか?また日本全体で何チームを支えることができるのか?リーグを構成するとはどういうことなのか?そういった点を根本から見直すべきだろうな。それは良くも悪くも劇的な構造改革になるかも知れない。高校野球も巻き込まれるかも知れない。

野茂もイチローも松井もアッチに行っちゃった今、日本はこれまでのプロ野球をいったん卒業して、読売などのこれまでの功績は大いに讃えた上で、経営母体の企業にはいったん全部引き下がってもらって、まさに新世紀のプロ野球をきちんとグランド・デザインするべきだな。

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コメント

めずらしいエントリーですね。
この問題、オーナーはもちろん選手もコミッショナーも、こうありたいというデザインを持っていないところに、やや嫌気が差しています。
新たなデザインは、やはりJリーグ方式がお手本なのかな。
でもそれは、「古田コミッショナー」あたりまで待たないといけないような気がします。

投稿: 善福寺手帳/yoshioka | 2004.09.15 22:36

めずらしいでしょ。でも、基本はプロ野球ファンなんですよね。あまり騒がしいので、ボトルを揺すりゃ、いやでもシャンペンの泡のようにいいたいことが浮かんできますよ。

古田までまたなくても落合に期待できませんかね。

投稿: bee | 2004.09.16 09:48

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