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2005.01.01

05・01・01 巨大地震・巨大津波

12月26日に起きたスマトラ島沖マグニチュード9.0の巨大地震によるインド洋大津波はノアの洪水にも匹敵するような神話級の災害なんだろうと感じました。

しかし発生後何時間も経過してから津波に襲われた地域の犠牲者の数は大幅に減らすことができた筈で、現代においては人災といわざるを得ません。治安だけでなく、科学技術を活かすシステムがない、というか、政治がないことも、大きなカントリーリスクの一つであることがよくわかりました。

焦るインド政府は12月31日、警報システムを整備すると発表していますが、百年に一度程度の災害に本気で巨額の金を投じて備えをするべきなのか、早くも議論が乱れているようです。

今回、発生の15分後には太平洋の津波警報システムを運営している科学者たちがタイやインドネシアを含む26の加盟国に警報を発したといいます。が、未加盟のインド洋沿岸諸国には伝えるすべがなかったとのこと。

04年6月にユネスコ政府間海洋学委員会(Intergovernmental Oceanographic Commission)の会議でインド洋の津波の危険性が指摘されていたというのですが「だから言ったのに…」の虚しさを感じます。ただIOCのサイトを見ても、その会議の議事録らしきものは見つかりません。

ユネスコの太平洋津波警報システムはUNESCO/IOC/IGC/ITSUという名称らしい。コンピュータの階層ディレクトリのようです。どうにも凄まじいビュロクラシーが存在しそうな臭いがします。

そのIGC/ITSUのサイトの記事によると、ITSUが既に99年にマスタープランに描いたように、津波警報システムを太平洋だけでなくインド洋を含む地球全域に広げてゆく方針であり、今回の災害を切っ掛けに更に強力に関係国に働きかけて行くと言っています。ただ、そのマスタープランなるpdfは四カ国語で用意されてはいるのですが、ロシア語版以外はダウンロードできません。一時的なのか何か他の事情があるのか?(追記1月5日 その後英語版がダウンロードできることを確認しました)

今回の地震はインドプレートがビルマプレートの下に沈み込む境界面で起きたわけですが、アメリカのUSGS(地質調査所)のサイトの説明によると、その断層面の長さ100kmを超える部分が破壊した。たぶんアスペリティという最後の最後まで滑らずに持ちこたえていた部分でしょう。そして長さ1200kmもの断層全体がズズッと約15m動いたと推定されています。その結果ビルマプレート側の海底が数メートル隆起し大津波を引き起こしたとのこと。

ただし東大地震研究所の解説では「…今回の地震は破壊開始点より約200-500kmほど北にある2つのアスペリティがすべったことがわかりました.そのため巨大な津波が発生し,タイやスリランカ,インドに大きな被害をもたらしたものと考えられます.破壊開始点付近にも大きくすべった領域があります.ここだけでもM8クラスのエネルギーを放出しています.」とのこと。最大食い違いは13.9mとあります。

「これほどの地震が起きるとは私は思っていませんでした.」と上の解説を執筆した山中さんは書いています。前例がないことだって起きる。しかし科学者にとって前例がない事を予測するのは非常にむずかしいでしょう。日本の東南海・南海地震にはどういう可能性があるのか、心配になります。

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コメント

beeさん、よくまとめられています。私が気になったのは、アメリカの偵察能力が本当はどの程度であったのか、という点で、ディエゴ・ガルシア島の4万人の海軍兵が無事であったことから、ウオーニングはちゃんとできていた、という推測が成り立ちます。HYタイムズでも、地震・津波警報ははるか前にdetectされていた、とあります。
http://www.nytimes.com/2004/12/28/science/28warn.html?

ディエゴ・ガルシアがでてきます。

One of the few places in the Indian Ocean that got the message of the quake was Diego Garcia, a speck of an island with a United States Navy base, because the Pacific warning center's contact list includes the Navy. Finding the appropriate people in Sri Lanka or India was harder.

ふうこお

投稿: ふうこお | 2005.01.02 19:45

ふうこおさん

コメントをありがとうございました。ディゴ・ガルシアのことは予め調べてあったのですが、オタッキーに過ぎると思って省略しました。

米海軍はもともと太平洋の津波警報のネットワークに入っているので自動的にディエゴ・ガルシアの海軍にも情報が伝わるようですよ。

あの珊瑚礁に被害がなかったのは海底地形のせいだと当のディエゴ・ガルシアの海軍がホームページで説明しています。つまり、深海から一気にそそり立つタワーのような島ですから、津波からすると大海の一部と大差がなく、浅瀬で遅延する波が重畳して高まる現象は微少で済むのだということ。

その他に津波が来た東側の珊瑚礁が防波堤の役割を果たした効果もあったようです。

結果的に6フィートの津波を観測したとあります。6フィートで被害が全くなかったのは変だというご意見もありそうです。おそらく真相は軍事機密なんじゃないでしょうか。

投稿: bee | 2005.01.03 00:25

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