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2005.06.23

05・06・23 Musical Baton

ごいんきょさんからバトンを渡されてまったので書いてみましょう。音源へのリンクはそのうち追加しておきます。

・Total volume of music files on my computer
これ、ほとんどゼロ。"music files"は30MB以下です。パソコンに突っ込んでいるのはもっぱら語学CD。このところ、ハングルを聴くようにしています。そのうちキム・ジョンイルの発言や、北朝鮮の国営テレビの青筋を立てたアナウンサーの言葉がわかるようになりたいもんだ、ってことで。

・Song playing right now (今聞いている曲)
たった今、無音です。

・The last CD I bought (最後に買った CD)
つい先日ネットで購入したのは、日本合唱曲全集「佐藤眞作品集 土の歌」というより「蔵王」(1986年録音)と「旅」(1975年録音)がお目当て。二つとも昔LPでよく聴いていたし、適当にピアノをまさぐってその和声を確かめたりもしていた。
ところが作曲者当人が「蔵王」を今もいじくりまわしているらしいというような記事をネットで読んで、それは大変だと購入したものです。でも、どこがどう変わったのか、一回聴いた限りでは気づきませんでした。そしてその元の記事も見つからない。私の錯覚だろうか?
作者の佐藤さんにしたら、作品はいつまでも青春の瑞々しさを湛えたままなのに、自らは老いぼれ朽ちて行くことの、いたたまらなさでも感じたのだろうか。いっそ作品が老いて自分の方こそが青春を保つことができれば…と考えるとワイルドの「ドリアングレイの肖像画」になるわけだが、まさか「蔵王」に皺でも刻み込んだのだろうか…。
「蔵王」は、学生時代に、友人が学習院の輔仁会?の合唱団の指揮をしていて、それを聴きに行って以来好きになったものです。

・Five songs(tunes) I listen to a lot, or that mean a lot to me
まあ、こまかな言い訳は抜きに順不同で気楽に回答してみると、…

(1)Paco de Luciaの弾くロドリーゴ作曲のギターのための「アランフェス協奏曲」彼の演奏を聴いて初めてこの第二楽章が「恋のアランフェス」なんかではないということを思い知らされました。子を失った母の嘆き、涙が枯れてもまだ泣きたい、そういう悲しみが伝わる凄い演奏です。作曲者は、妻が流産した直後にその慰めの気持を込めて書いたものと、村治佳織のアランフェスのCDの解説に書かれていたのを読んで、パコ・デ・ルシアの演奏の謎が解けた思いがありました。
そもそももとのスコアには四分音符で44ときわめて遅い速度指定があるのに、みんな何も考えないで適当に弾くもんだから曲想が狂ってしまう。調べてみたらパコでも59。しかし私が持っている各種アランフェスの中で60を切ったのはパコだけです。(追記に続く)
第一楽章の弾き方も独特で引きこまれる。

最晩年のロドリーゴをステージに上げてその前での演奏のライブ録音盤です。

【頭ポリポリの追記】ところが、速度は私の測定ミス。真相はこうです。他のギタリストはほぼ指定通り44前後なのに、パコだけは30ぐらいで弾いているのでした。村治佳織も明らかに同じ線を狙っているが微妙に速い。

この際所蔵のアランフェスを色々引っ張り出して来て第二楽章の演奏時間を比較すると、こんなことになっていました。ただしLPは調査対象外。

10:47 アンヘル・ロメロ(アンドレ・プレヴィン+ロンドン交響楽団)
10:53 カルロス・ボネル(シャルル・デュトワ+モントリオール)
10:53 ジョン・ウィリアムス(ダニエル・バレンボイム+ベルリンフィル)【DVD】
11:07 M・ゴッセル&H・フレンネソン(Progetto Avanti 二人だけのオーケストラ)
11:22 村治佳織(山下一史+新日本フィル)
11:35 パコ・デ・ルシア(エドモン・コロメール+カダケス・オーケストラ)
12:07 ペペ・ロメロ(ネヴィル・マリナー+アカデミー室内管弦楽団)

全体の所要時間となるとこういう順番になるのですが、最長のぺぺ・ロメロのテンポが特別遅いとは感じられません。どうもカデンツァのあたりにかける時間がかなり影響しているように感じます。

私が言いたいのは、このAdagioのテンポは、要するに茫然としてトボトボ歩く速さが正しいのではないか、ということです。そのことをPacoの演奏で初めて気付かされました。昔、ペペ・ロメロの演奏を聴いた時はそんなことを考えさせられなかったわけですから、そこにテンポ以外の要素があることは言うまでもありません。

(2)ABQ(アルバン・ベルク弦楽四重奏団)でドビュッシー、ラヴェルの弦楽四重奏曲
もともとLPでよく聴いていたものですが、今持っているCDは1984年の録音になっていて、時期的に判断してたぶん録音が違う。
去年だったか、無性にドビッシーのこの曲が聴きたくなって、何枚かCDを聴き比べることになったのですが、もう圧倒的にABQなんですね。

(3)シャルル・デュトワ指揮のモントリオール交響楽団とピンカス・ズーカーマンのビオラでベルリオーズ「イタリアのハロルド」これはとにかく好きな演奏です。そんなに惚れていいのかと自問して、他の指揮者のもいちおう買って聴いてみたのですが、気持は変わらない。
楽曲としては第二楽章が特に魅力的で、夜毎、灯を消してこれを聴きながら眠りについていた時期もありました。この作品が好きになると、イタリア・ワインを買う時にAbruzzo州のものが気になるようになります。

(4)シャルル・デュトワ指揮のモントリオール交響楽団で「ロッシーニ序曲集」特に「どろぼうかささぎ」が好きで、何枚か聴き比べをしたことがありますが、明晰さという点でデュトワは群を抜いています。それがメガネの曇りが取れたというか、シルクスクリーンが取り除かれたような、身も蓋もないと感じる瞬間が無いでもないのですが、それでもこの演奏がいいと思います。もちろん楽曲そのものも素晴らしい。

(5)グレン・グールドの弾くJ.S.バッハは平均律だろうがゴールドベルクだろうが、イギリス組曲だろうが、フランス組曲だろうが、イタリア協奏曲だろうが、インベンションだろうが。
要するにこの演奏者の問題提起の恐るべき知力と感性と表現実行力を存分に発揮するのにバッハほどの素材はないということでしょう。

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コメント

ご回答ありがとうございました!
突然お渡ししすみません・・・
楽しませていただきました!

私のブログももうすぐ一周年ですが
相変わらずの無鉄砲ぶりは変わっていないようです。
お恥ずかしいかぎりです。

投稿: ごいんきょ | 2005.06.25 05:36

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