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2009.08.23

09・08・23 コーヒー・ミルのオーバー・ホール

使い始めて約40年になるコーノのコーヒー・ミルをオーバー・ホールした。

最近なかなかいいコーヒー豆に出会わない。そもそも、いつのまにかスタバ・タリーズ文明に毒されて、炭のようなコーヒーを平気で飲むようになってしまったことに味覚の危機を感じていた。

昨日、たまたまいつもと違うスーパーで買い物をして、久しぶりにキャラバン・コーヒーを見つけた。かつてよく飲んだこのブランドなら大丈夫かも知れないとゴールデンキャメルというのを買って帰った。

今日、この豆を挽くにあたって、最近の深煎りの豆の成分がベットリとこびりついているに違いないミルをきれいに掃除しようと思い立ち、久しぶりの分解掃除となった。解体して部品を洗剤で洗ってドライヤーで乾かしただけ。緩んでいたネジもしっかりとめた。それだけのことである。そのスライドショーである。

スライドショーのBGMはNAXOSのシモーネ・イアンナネッリ作曲のイタリアン・コーヒーNo.5 "L'ultimo Caffe insieme"。YouTubeにも音源がある。

そして、やおらゴールデンキャメルを挽いた。ミルの音も乾いて軽やかである。

一口飲んで炭地獄から解放されたことがわかった。キャラバンの説明を読むと、これは日本のコーヒーが「アメリカン」という軽いコーヒーに傾いていた1970年頃に、その対極のコクのある味わいを提供して高い評価を受けていたコーヒーだとのこと。偶然だがスウィートスポットをヒットするコーヒーに出会った、というか再会したにちがいない。

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09・08・23 選挙カーの声が無い「振り逃げ解散」総選挙

我が家の近辺では、昨日も今日も、選挙カーの声が全く聞こえない。聞こえるのはミンミンゼミとカラスだけ。こんなに静かな選挙がこれまであっただろうかと考えるほど。候補者たちは人出の多い場所を選んで活動しているのだろうか?住宅街には「最後のお願い」の段階でやって来るのだろうか?

もっとも、いまさら来られてもむだで、こっちはもう期日前投票をすませてしまった。

この半年余り、首相は支持率をみて解散のタイミングを計って来たのだろう。好球必打を自らに言い聞かせるバッターのように。

首相就任直後の10月には解散予定記事らしきものが文藝春秋に掲載されたが、あそこで一回目の解散空振りがあったのではないか。

その後、漢字が読めない問題が表面化して状況は悪くなる一方だったが、小沢代表の秘書逮捕という絶好球が来た。しかし、国策捜査という八百長疑惑を恐れてか解散しなかった。これが二回目の見送り。

民主党は電光石火の代表交代劇でこの窮地をしのぎ、勢いを取り戻した。だが、鳩山新代表の「故人献金問題」が暴露され、首相にしたら久しぶりの甘い球となったが、またもや見逃し。

いつまでたっても支持率が解散を勇気づけるほどまでには回復しなかったために、好球も見逃し続けて、野球ならこれで三振バッター・アウトだ。

ところが麻生首相はそのあとに衆議院を解散して一塁ベースに向かって走り出した。三振振り逃げである。

今回の選挙は、最後の詰めで、民主党が一塁に正確な送球をやり遂げることができるかどうか、それとも麻生首相が奇跡的に一塁ベースに先に駆け込むかという戦いになった。

今朝の政治討論番組に出演した麻生太郎氏の表情をみるかぎり、あまりdesperateな感じを受けなかった。彼なりのダンディズムなのか、それとも、もう間に合いっこないと思っているのか。

「ホップ・ステップ・肉離れ」の民主党に何かが起きるのか起きないのか、選挙戦最後の一週間が注目だ。

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2009.08.16

09・08・16 ドライエージング・ビーフ

三十数年前、マンハッタンのギャラガーズというレストランで食べたステーキがとても"アメリカン"だった。もちろん鉄板焼きではない。肉質も霜降りではない。食感はトロけない。肉の歯ごたえがある。そして何よりも新鮮じゃない!熟成させた肉なのだ。店の中から黒っぽい熟成中の肉がガラス越しに覗けるようになっていた。

日本流の鉄板焼きは焼いてはいなくて、鉄板と肉の隙間の蒸気で肉を白っぽく蒸してしまうのがイヤだ。歯ごたえのないトロ身は肉を食べた実感がない。ニューヨークのステーキは野蛮だが懐かしい。そういう肉のステーキを日本で食べたことがない、という話をしたら、日本でも買えるよと、ある人が教えてくれた。ドライエージングという熟成方法がミソなんだそうだ。早速、通販の店を探して買ってみた。いわゆる霜降り高級和牛に比べたら価格は安いと言ってよい。その記録がこのスライドショーである。

スライドショーのBGM(Naxos)The Roast Beef of Old England 他にYouTube版もある。その歌詞などのwiki
まずは厚さ3cmの肉をローストビーフのように焼いてみた。焼き方を色々と工夫してみたいところだが、そのつもりで買ってあった2枚目の肉は、いつのまにか冷蔵庫から姿を消していた。うちの息子が肉好きだということを計算していなかった。

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09・08・16 看板をくわえるトウカエデ

DSCF5195あざみ野で見つけた街路樹のトウカエデは看板をくわえていた。フェンスや手すりが幹にめり込んでいるのならよく見掛けるが、こういうのは初めて見た。

おそらく、はじめは生ゴミ収集場所の目印としての看板をトウカエデの幹に釘か何かで止めたのだろうか。街路樹として植えられた当時は支柱もあったはずだ。看板の上の縁をくわえ込んでいるように見える瘤はその名残かも知れないな。それから何年経ったか知らないが、今では幹から黒い手が伸びて看板がずり落ちないように押さえているかのようだ。自然と文明とのせめぎ合いの最前線がここにある、とも見える。DSCF5196

あざみ野名所の一つにノミネートしたいところだが、生ゴミ云々の看板がいただけない。街路樹は横浜市の資産であり、そこに横浜市の業務連絡の看板を持たせて何かいけませんか?と言われれば文句はないのだが。

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09・08・16 久しぶりのアケビ結実

隣の家の玄関わきのアケビに実がついているのは数週間前から気付いていた。アケビは自家受粉しないので我が家のアケビがお役にたったのかも知れないなと見ていた。ウチのアケビだって4月には有り余るほどの花をつけていたのだから。

DSCF4517

見た目には無数のたわわな実りを期待させるのだが、アケビの花は99パーセント実にならない徒花である。新製品開発の成功率より低い。もしやアケビちゃんも、毎年わかりきった同じような実を付けるルーチンに飽きて、あえて毎年微妙に違う新しいタイプの実を成らせようと余計な工夫をしているのではないか?職人になりきれないアケビなのだ。ムベとアケビは何かと比較されるが、ムベはまるで職人のように確実に実をつける。その確度はアケビの何十倍もあるように感じる。

隣に実が付くなら花粉のブツブツ交換(ツブツブ交換か?)でウチのにも実が付いてもおかしくない、という期待があった。ただ我が家のアケビはヘクソカヅラとレンギョウとジャノメエリカに絡まれて(どっちが?)小さな青い実がついても見つけにくい。面倒なので、秋になって薄紫の大きな実に突然気付くのも悪くないだろうと考えて、あまり探さなかった。

DSCF5481

そして先日、ガレージでクルマを降りると頭のすぐ上にまだ小ぶりの実が静かに垂れ下がっていたのだった。いやあ、お久しぶり。庭のボケに絡んでいる株には以前大きな実がついたが、玄関側の株に実がついたのはこれが初めてだ。

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2009.08.15

09・08・15 アマは考えがアマ~い

太平洋クラブ御殿場コースの16番ホールは401ヤードのパー4。

「ドッグレッグの角にある高い木が250ヤードです」とキャディが言う。

そんなにあるか?と一瞬思ったが、いつもと違ってバック・ティーからやっているので、そうかも知れない。確かに、急いで考えてみても、曲がり角のところにグリーンまで150ヤードの標識があることは何度もプレーしているのでわかっている。401ヤードから150ヤードを引けば残りは251ヤードだ。なるほど。

例によってベン・ホーガンの教えに忠実に右手フィンガー・グリップを確認し、ワッグルを2-3回やってヘッドの軌道を確認し、スウィングした。

ドライバーは、めずらしくダフリもせずトップもせず、ほぼ芯に当たった。球は軽いドローの軌道を描いてフェアウェイ中央に飛んで行った。あとちょっとで奥のバンカーに突っ込みそうに見えた。

余りにもいい感じだったので、飛距離を歩測してみると、木から28ヤードあった。ということは250+28で278ヤード?!。このホールは二打地点まではフェアウェイがほぼ平坦なので、飛距離の実力を知るのに適している。そうか、ベン・ホーガン師匠の教えを守ると、ふだんは230ヤードぐらいしか飛ばない私でもこんなに飛ぶのかと喜んだ。とりあえずはね。

しかし、帰宅してよくよく考えるうちに、だんだんとそんなに飛ぶわけないぞ、という気がしてきた。プレー前の約4週間は全くラウンドをせず、歩く機会も少なかったから下半身はむしろ弱っていたはずだ。

そこで、当日のGPSロガーのデータを詳細に点検してみた。ログは5秒間に1回ずつ記録されている。

Gotemba#16

ショットをするために立ち止まった地点は、少なくとも数個のデータが近くに重なっているので、プレーの記憶とも照合することで、だいたい特定することができる。これで1打地点と2打地点がわかる。

その2地点の距離をGoogle Earthの定規機能で測定した。すると、あのナイス・ショットの飛距離はせいぜい240ヤードだという結論になった。どう頑張っても278にはならない。

この数値にはとてもリアリティがある。実測という説得力がある。でも、ちょっとばかりの悲哀感もある。やっぱりダメなのね。自分の能力の真実を知らないのがアマのアマたる所以である。

ところで、全米プロ選手権に出場した17歳の高校生プロ石川遼くんはギリギリではあるが予選通過をはたした。40歳の藤田選手はもっと上位で通過したが、片山選手や今田選手でさえ落ちたのだから、堂々たる快挙である。USPGAのサイトによると、4大メジャー予選通過の最年少記録は1952年のマスターズでのトミー・ジェイコブズの17歳1ヶ月だったので、遼くんの17歳10ヶ月は及ばない。しかし、このPGAツアー選手権に限れば彼が史上最年少だと特筆している。米国基準でみても快挙なのだ。

ゴルフをするオジサンたちはミネソタ州からの深夜の生中継を観るものだから、ゴルフ場でも朝の挨拶はみんな「いやー寝不足でして」。でもオジサンたちはみんな彼の活躍に目を細めている。よく「彗星のように」現れたというが、この彗星はどんどん地球に接近しますます大きく輝き出しており、ひょっとして今世紀最大の彗星になるのかも知れない。

仮に楽に300ヤードを飛ばす遼くんが御殿場の16番を攻めるとどうなるのだろうね。定規でその球筋を描いてみた。ティー・ショットの方向がまるで違う。しかも、曲がり角の高い木の右側を林越えで行くのでひときわ高い軌道が求められる。ただし、実際のトーナメントでは使うティーがもっと奥になるので、こういうルートで打つことはないだろうが。

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2009.08.04

09・08・04 夏は甲州ヴィーニョ・ヴェルデ

このところポルトガルづいている。数年前にたまたま行った高輪台のポルトガル料理店が面白くて、ソムリエというより宣教師のようなBeppuさんにワインや料理を色々と教えてもらっている。ただ帰宅したころにはアルコールのせいで記憶が消滅していることが多く、また通うはめになる。
DSCF5293干しダラ(バカリャウ)料理を真似るのは手間がかかるが、イワシを焼くのは簡単である。先日近所のスーパーで新鮮なイワシが安いのに驚いた。いや、イワシとしては高いのかもしれない。よくわからない。しかし刺身に比べたらまちがいなく安い。これを見て、そうだ、これをポルトガル風に焼いてみようとひらめいた。

ワインはヴィーニョ・ヴェルデにしようと、同じ店のワイン売場を探した。けっこう品揃えが多いのだがポルトガルはダンが2種類ほどあるだけで見つからなかった。なけりゃ無くてもけっこう。この際、かねてあたためていた実験を敢行すべしと、炭酸水だけを買って帰った。

イワシよりワインが本題である。

DSCF5302甲州種のワインはほんとうにレベルが高くなったと思う。しかしながら、だからと言って甲州種をあえて選んで飲む機会が増えたとは思わない。ここがつらいところだ。

ワイナリーというと芸術品のような熟成高級ワインに注目が行きがちである。ビジネスとしてみると、じっくり樽熟成してから出荷するなんていうことは、ワインという形になった資金を1年以上も眠らせることを意味しており、なかなか恐ろしい話である。

高級ワインはブランドの確立には必要だが、ビジネスとしては、大量に消費される新酒にも取り組むことも大切であろう。仕込んですぐに出荷する新酒は間違いなく資本効率をよくするのだから。

ボージョレ・ヌーボーはそういう商品だが、ガメイ種以外のヌーボーは(私は好きだが)一般的にはマイナーのままだ。甲州ヌーボーもしかり。そこで、思うのが、甲州種によるヴィーニョ・ヴェルデである。

ヴィーニョ・ヴェルデ(Vinho Verde)はポルトガルの若摘みのブドウで作る低アルコール度数の微発泡のワインである。白も赤もある。ビールがわりにグイグイと飲む軽いワインだ。これが日本の夏のビールがわりになるワインなのだが、残念ながらあまり売ってないし、決して安いとは言えない。

DSCF5412日本の甲州種はそもそも食用ブドウがメインで、収量重視の栽培方法もあって、あまり糖度が高くない。これは高級ワイン作りのためには欠点だが、ヴィーニョ・ヴェルデ作りにはお誂え向きではないだろうか?ぜひどこかのワイナリーで挑戦していただきたいものだ。

とはいえ、それを待っていると何時までたってもさっき買ったイワシを食べることができない。そこで私は、甲州種のワインを炭酸水で割って、擬似的にヴィーニョ・ヴェルデを作りだそうというわけだ。

勝沼醸造のアルガブランカ・クラレーゼは12度ぐらいなので、ワイン2に対して炭酸水1ぐらいで8度ぐらいに薄まる。やってみると、おおむね、ヴィーニョ・ヴェルデ感を楽しむことができた。けっこうオススメである。ただし、炭酸水でも硬度があまり高いものは向かないように感じたことを付け加えておく。

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